山田正紀おすすめ神7+1

この神7は文句、異論、ありまくりだろうが、一応調べたら山田の小説を53冊読んでるので、一応僕なりの基準で選んでいることを理解ください。山田正紀は不思議な作家だ。そうか、伊坂や恩田のように、常にいつか凄い傑作を書くと期待させつづける作家の元祖だったんだ。

 

アフロディーテ 

 この作品を山田のベストにあげる人はまずいないはず。僕は大学時代に本書でギラギラとした夏休みを経験した、だけでなく、何と35年後に再読したら、本書の未来と現実が完璧にシンクロしてしまったのだ。しかも、その数日後に本当にひさびさに有栖川有栖に会うというおまけつき。本書は僕にとって、甘酸っぱい青春そのものなのだ。

アフロディーテ (1980年)

アフロディーテ (1980年)

 

 ②デッドエンド

神シリーズと螺旋。僕の大好きな隠れた名作。短いから破綻もない。

 

デッド・エンド (1980年)

デッド・エンド (1980年)

 

③神狩り

 今さら言うまでもない、著者のデビュー作。再読して、その内容のスカスカさに驚いたが、やっぱりかっこいいのにも驚いた。関係代名詞と薔薇。これは小説なのか?

 

 神狩り (角川文庫)

神狩り (角川文庫)

 

④弥勒戦争

 実は再読するまでは、本書が山田のベストだった。こんな理屈の勝った作品だったのか?

【新装版】弥勒戦争 (ハルキ文庫)

【新装版】弥勒戦争 (ハルキ文庫)

 

 

⑤地球・精神分析記録

いい意味で、山田のお勉強体質が出た傑作。再読にも見事に耐えた。

 

地球・精神分析記録(エルド・アナリュシス) (徳間デュアル文庫)

地球・精神分析記録(エルド・アナリュシス) (徳間デュアル文庫)

 

 

 ⑥襲撃のメロディー

 あまりに字が小さく、日焼けしていて再読はあきらめたが、僕の古いノートを信じれば大傑作。ただ、表紙にはコンピューターの入力用紙?らしきものが・・・・・

襲撃のメロディ (1978年) (角川文庫)

襲撃のメロディ (1978年) (角川文庫)

 

 

ブラックスワン

ミステリを一冊あげるなら「人喰いの時代」か「ミステリオペラ」が妥当かもしれない。また僕は「僧正の積木唄」も結構好きだ。でも、本書の発読時の所感をなぜか優先したい。(当時は山田がミステリを書くと思わなかったのだ)正直、再読するとかなり評価は落ちてしまったのだが。

ブラックスワン (ハルキ文庫)

ブラックスワン (ハルキ文庫)

 

 

+1 火神を盗め

再読して一番評価が下がったのが本書。「謀殺のチェスゲーム」も同じ。半村の伝奇小説と同じく、還暦間近のサラリーマンには、一般企業がこんな馬鹿なことをする小説は耐えられないのだ。学生時代は大傑作と興奮したのに。嗚呼。「エイダ」や「宝石泥棒」や「女囮捜査官」はどうしたんだ、と怒らないでね。ごめん。

 

火神(アグニ)を盗め (ハルキ文庫)

火神(アグニ)を盗め (ハルキ文庫)