2011年 ジャンル別ベスト (SF、歴史、小説、NF)

◆SF、ホラー、ファンタジー

 1、約束の方舟          瀬尾つかさ    (早川文) ☆☆☆☆★
 2、アバタールチューナー     五代ゆう     (早川文) ☆☆☆☆
 3、異星人の郷          マイクル・フリン (創元文) ☆☆☆☆
 4、11 eleven          津原泰水  (河出新) ☆☆☆☆
 5、完全なる首長竜の日      乾 緑郎     (宝島社) ☆☆☆☆
6、奇跡なす者たち        ジャック・ヴァンス(国書刊) ☆☆☆☆
 7、最後の聖戦  老人と宇宙3  ジョン・スコルジー(早川文) ☆☆☆☆
   ゾーイの物語 老人と宇宙4  ジョン・スコルジー(早川文) ☆☆☆☆
8、オレンジの陽の向こうに    ほしおさなえ   (創元社) ☆☆☆☆
   恩 寵            ほしおさなえ   (角川書) ☆☆☆☆
次、天獄と地国          小林泰三     (早川文) ☆☆☆☆
 次、光を忘れた星で        八杉将司     (講談社) ☆☆☆☆
    
 別)クリムゾンの迷宮       貴志祐介     (角川ホ) ☆☆☆☆
 別)遺跡の声           堀 晃      (創元文) ☆☆☆☆
別)復活の地           小川一水     (早川文) ☆☆☆☆

 ここは相変らず盛況。バチカルビは途中で投げ出してしまったが、1から5までは、
 文句の無い傑作。特に1と2はちょっと変わった経歴の作者なので、見逃さないで
 欲しい。「天冥の標」の最新刊が間に合わなかったのが残念。


◆時代・歴史小説

 1、雷 桜           宇江佐真理  (角川文) ☆☆☆☆☆
   桜花を見た          宇江佐真理  (文春文) ☆☆☆☆★
   彼岸花           宇江佐真理  (光文社) ☆☆☆☆
 2、謙信の軍配者        富樫倫太郎  (中公論) ☆☆☆☆★
   信玄の軍配者         富樫倫太郎  (中公論) ☆☆☆☆
  風狂奇行    富樫倫太郎  (廣済堂) ☆☆☆☆
箱館売ります      富樫倫太郎  (実業日) ☆☆☆☆
美姫血戦 松前パン屋事始異聞 富樫倫太郎  (実業日) ☆☆☆☆
 3、吉原十二月         松井今朝子  (幻冬舎) ☆☆☆☆★
 4、四十八番目の忠臣  諸田玲子  (毎日新) ☆☆☆☆★
   お順 勝海舟の妹と五人の男  諸田玲子 (毎日新) ☆☆☆☆
5、大江戸釣客伝         夢枕 獏   (講談社) ☆☆☆☆
 6、関ヶ原連判状   安部龍太郎  (新潮文) ☆☆☆☆
 
 別)三百年のベール       南条範夫   (批評社) ☆☆☆☆

 「雷桜」は僕の宇江佐観を一変させる、太くて美しい小説だった。今頃読んで申し
 訳ない。時代小説という巨大なジャンルのどこから攻めようか、相変らず途方に暮
 れているが、無理せず真ん中に女流御三家を置いて、少しづつ富樫のように陣地を
 増やしていこう。


◆フィクション

 1、弦と響           小池昌代  (光文社) ☆☆☆☆★
 2、水底フェスタ         辻村深月   (文春社) ☆☆☆☆
光待つ場所へ        辻村深月  (講談社) ☆☆☆☆
 3、嗤うエース         本城雅人  (幻冬舎) ☆☆☆☆
 次、僕たちの好きだった革命   鴻上尚史  (角川書) ☆☆☆☆
次、醜聞の作法         佐藤亜紀  (講談社) ☆☆☆☆
 次、ポリティコン        桐野夏生  (文春社) ☆☆☆☆
 次、横道世之介         吉田修一  (毎日新) ☆☆☆☆

 「弦と響」は本当に気持ちの良い作品であった。辻村と本城は、多分今作家生命の
 岐路にあると思う。是非、うまく乗り越えてもう一皮向けて欲しい。才能は間違い
 なのだから、使い方を間違えないように。


◆ノンフィクション

 1、天才 勝新太郎       春日太一  (文春新) ☆☆☆☆★
 2、バルセロナ戦術アナライズ  西部謙司   (カンゼ) ☆☆☆☆
 3、小松左京自伝         小松左京 (日経新) ☆☆☆☆

 「天才」には驚いた。ただ、去年の本じゃないので大騒ぎはやめておくけど。新書
 ではもったいない力作。